二宮町周辺の農地が今どうなっているのか、数字から現状を紐解いてみましょう。
最新の調査では、町の耕地面積は約106ヘクタール。そのうち遊休農地は約11ヘクタールで、率にすると約1割です。「1割なら、まだそれほど荒れていないのでは?」と思われるかもしれません。しかし、実態はもっと深刻です。
農家が実際に管理している面積(経営耕地面積)で見ると、二宮は1990年ごろ約111ヘクタール、2015年には約59ヘクタールまで落ちています。その後、2020年約74ヘクタール、2025年約83ヘクタールと統計上は戻っていますが、これは二宮町内で管理されている畑が増えたのではなく、農家の住所地で集計する仕組みによる誤差です。
近隣自治体のデータだと減少傾向が分かりやすく、大磯町は2000年225ヘクタール→2020年115ヘクタール→2025年74ヘクタール。中井町は2020年394ヘクタール→2025年157ヘクタール。小田原市は1990年2,063ヘクタール→2020年871ヘクタール→2025年790ヘクタールと、ピーク時の半分以下になっていると言えます。
特に経営耕地面積の減少傾向がきついのが急傾斜のみかん園です。最新の小田原のデータを見ると、樹園地の減少が目立ち、耕作放棄は364ヘクタール、荒廃農地は170ヘクタール前後とされています。大磯や二宮の傾斜地も、規模は小さいですが同じ構造です。
体感としては、「農家が管理している農地」と「維持だけしている農地」と「荒廃農地」がおおよそ同じくらいの割合で存在している印象です。かなり厳しいです。
そして、手が入らなくなった畑は、次第に害獣の棲み処になります。イノシシは耕作放棄地を伝って、中井・小田原・そして二宮へと広がっています。小田原ではイノシシの捕獲が2010年から2020年の10年で約11倍。大磯でも年間100頭前後が捕れ、中井では町内ほぼ全域で出没しています。シカも増えています。
畑が減る、藪になる、獣が出る、残った畑も続けにくくなる。そういった負の循環が続いています。
この流れを変える。
耕作放棄地を減らし、害獣を減らす。
今後の10年、20年でしっかり取り組んでいきます。
